今年3月以来、コロナ禍の影響でツアーを催行することができませんでしたが、お陰様をもちまして、本当に久しぶりに透析患者様向けのツアーを出すことができました。
約7か月振りのツアーの目的地は、九州の北西の海上に浮かぶ対馬・壱岐の2島と福岡を4日間で巡るものです。
もちろんコロナウイルスの感染防止には細心の注意を払い、マスク着用、毎朝の体温のチェック、手指消毒の励行をお客様にもご協力をいただき、徹底させていただきました。
1日目
各地(羽田空港、小牧空港など)からお越しのお客様と福岡空港で合流後、ジェットフォイル乗船の為に博多港に向かいます。
空港から港へは約15分で到着です。
博多港のターミナルで乗船手続の際にも、乗船客全員の体温のチェックがあります。
博多港から対馬の厳原(いづはら)港まで、ジェットフォイルで約2時間の船旅です。
好天に恵まれ、海も大変穏やかで、ほとんど揺れも感じない快適な船旅をお楽しみ頂きました。
そして対馬の厳原港に到着、まずは対馬の海の幸で腹ごしらえの後、観光に出発です。
対馬は九州本土からは約140km離れているのにもかかわらず、朝鮮半島南部の釜山までは約50kmしか離れていません。
そんな国境の島という立地により、古くから朝鮮との交易などで栄えた反面、鎌倉時代の蒙古襲来、いわゆる『元寇』の際には、真っ先に高麗から攻め寄せた蒙古軍(高麗軍を含む)の標的となり、凄惨な戦いが行われたことなど、とても奥深い歴史のある島なのです。
そんな対馬は、南北82km、東西18kmと、とても大きな島で、日本が実効支配している離島としては、佐渡、奄美大島に次いで3番目の大きさです。
滞在時間が限られているので、残念ながら今回のツアーでは全島を巡ることはかなわず、南部の見どころを巡ります。
まず訪れたのは万関橋です。
もともと南北に陸続きの細長い島だった対馬ですが、明治33年に軍艦の通り道として掘削され、この時からこの島は南北2つの島に分けられたのですが、その掘削水路にかかる赤い橋がこの万関橋です。
120年前の大事業に思いを馳せるのも一興です。また干満の差が大きいので、タイミングが合えば橋の上から渦潮を見ることもできるそうです。
万関橋の後は、和多都美神社へと向かいます。
ここは、本殿までの鳥居の内、2本が海中に建っていることで有名ですが、今年9月の台風10号の被害で、最も海側の『一の鳥居』が倒壊してしまっていました。一日も早い復旧を祈らずにおられません。
この神社には「海幸、山幸」の神話でも有名な山幸彦こと『彦火々出見尊』と『豊玉姫命』の夫婦神が祀られています。そしてこのご夫妻神こそ、初代の神武天皇のお祖父様とお祖母様という、とても由緒正しいお社なのです。境内には豊玉姫命の墓所などもあり、神聖なパワーを感じる事ができます。
和多都美神社の後は、本日の観光のメインとも言うべき場所、烏帽子岳展望台からの眺望をお楽しみ頂きます。
この展望台に上がるのには、実は100段以上の階段を登らなければならないのですが、頑張って登ったご褒美の景色はとても素晴らしいものです。
360度のパノラマ、そして眼下に広がる浅茅湾(あそうわん)のリアス式海岸の景色は、しばし目を奪われる程の素晴らしさでした。
今日の観光はここまでです。
たくさん歩いたので、美味しい対馬の味覚を堪能し、ごゆっくりとお休み下さい。
<つづく>