旅行期間:2019年8月1日(木)~8月7日(水)
添乗員:西本 章二
8月4日(日)、ツアー4日目は、オーストリア第4の町ザルツブルグです。
この町は楽聖モーツァルトが生まれ、その生涯を閉じた町として知られています。
そしてもう一つ、映画好きの方には、かつてアカデミー賞5部門を受賞した、ミュージカル映画の名作『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台としても有名です。
もしもこの町を訪れるのなら、是非、今一度この映画を観直してから出発されることをお勧めします。
映画に登場する様々なシーンを目の当たりにする感動とともに、この映画が作られた1965年当時と、町の佇まいがほとんど変わっていないことにきっと驚かれることでしょう。
ザルツブルグの旧市街はとてもコンパクトなエリアで、観光用の車両の乗り入れも制限されており、大部分が徒歩での観光となるのですが、透析患者様のツアーなので、できるだけゆっくりとしたペースで、座って頂けるところでは腰を下ろして休みながら案内をさせて頂くように心がけました。
お天気は最高で、日差しが強いので、日なたでは少し暑く感じられても、日陰に入ればとても爽やかでした。
観光はまずミラベル庭園から始まります。
ここは映画『サウンド・オブ・ミュージック』では、マリア先生が子供達に音楽の楽しさを教え、ドレミの歌を歌うシーンにも登場する美しい庭園です。
ミラベル庭園の後は、市内を流れるザルツァハ川にかかるマカルト小橋を渡って旧市街へ。
この橋の欄干には、最近世界中の観光地で見られる「恋人達の鍵」が多く掛けられていました。
次に向かったのはモーツァルトの生家です。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトがここで生まれて17歳まで過ごした場所で、現在は博物館として一般公開されています。
内部には彼が幼年期に使ったバイオリン、肖像画、直筆の手紙や楽譜など、モーツァルトに関する数々の品物が展示されています。
このモーツァルトの生家が面しているゲトライデ通りがこの町のメインストリートです。
メインストリートとは言え、車両の通行は禁止の歩行者天国です。
お店の看板がエレガントです。大手ハンバーガーチェーンの看板でもここではこのようになります。
ゲトライデ通りを歩き、レジデンツ広場へ。ここにも映画『サウンド・オブ・ミュージック』に登場したアトラスの噴水があります。
マリア先生が修道院を出てトラップ家に向かう道すがら、気持ちを鼓舞するように噴水の水を手ですくって跳ね上げるシーンです。
この噴水の縁は思っていたよりも高さがあり、映画のように女性の背丈で、通りがかりに水をすくってピチャピチャというわけにはまいりませんでした。
レジデンツ広場からモーツァルトの銅像のあるモーツァルト広場、そしてお客様からのリクエストで、ここも映画に登場したモーツァルト小橋を渡りました。
マリア先生がカーテンの生地を使って、子供達のための遊び着を造り、町へと出かけるシーンです。
お昼からは、この町のシンボルとも言える、ホーエンザルツブルグ城の見学です。
町からはケーブルカーが出ており、ほんの1分ほどで城郭まで登ることができます。
展望台からはザルツブルグの町が一望できます。
特に城で最も高い場所にあるレック塔の展望台からは、360度のパノラマが楽しめます。
お城の内部は、城郭の増築の歴史、歴代君主(大司教)の肖像や事績、第一次大戦時のオーストリア軍部隊の装備品などの展示や、マリオネット博物館などがあり、ガイドさんの案内を聞きながら、ゆっくりとご覧頂きました。
城の見学を終えて、再びケーブルカーで城下町へと降り、ザルツブルク大聖堂を見学しました。
ここはカソリックの教会では珍しく、ステンドグラスがあまり使われておらず、天井や壁のフレスコ画の美しさが印象的でした。
これで、昼間のザルツブルグの観光は終了です。
夕食まで少し時間があったので、自由行動の時間をお取りしました。
皆様、お買い物やカフェでののんびりとしたひとときを過ごされていたようです。
夕食はオーストリア名物のシュニッツェル(カツレツ)を召し上がっていただきました。
夕食の後は、オプショナルツアーとしてご案内していた、ミラベル宮殿の大理石の間で開かれるモーツァルトコンサートにご案内させていただきました。
この日は楽団員も調子がよかったのか、少し時間も延長され、アンコールも含めて、皆様、目一杯ザルツブルグの音楽の夕べをお楽しみ頂けたようです。
この日、ザルツブルグでもう1泊し、翌日再び列車でミュンヘンへ、そして専用車でフュッセンへと戻り、この旅行で2回目の透析を受けて頂きました。
今回は7日間の日程中、現地で2回透析を受けて頂いたのですが、2回ともに同じ施設で受けて頂いたので、皆様、前回以上にリラックスした様子でした。
そして翌日、ミュンヘン国際空港から、ルフトハンザドイツ航空の直行便を利用して、日本に帰国しました。
今回のツアーでは、雨にも降られる事もあったのですが、不思議と屋外での観光の無い時や、車での移動中、病院で透析を受けて頂いている間などで、結果的に天気にも恵まれ、とても爽やかな気候の中、ツアーを行うことができました。
帰国後、というよりも帰国の飛行機の中で再度『サウンド・オブ・ミュージック』を観直してみたのですが、映画の素晴らしさに加えて、実際に訪れた風景が登場するシーンの数々に、感動を新たにしました。
そして同時に、帰国してまだ二日目だというのに、大阪の暑さに早くも根を上げて、ドイツとオーストリアの爽やかな気候を懐かしく思いだしています。
《おわり》