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お知らせ

ツアーレポート 種子島&屋久島4日間

ツアー名:ハートフルツアー種子島&屋久島4日間

旅行期間:2020年3月29日(日)~4月1日(水)

 

新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。

 

移動の自粛が求められている、このようなときに旅行などもってのほか…と思われるかも知れませんが、お客様にはマスクの着用をお願いし、アルコール除菌ウェットティッシュ並びに除菌ジェルを添乗員が持参し、万全の注意を払い、鹿児島県の種子島と屋久島を巡ってまいりました。

 

相次ぐキャンセルにより、ツアーの最少催行人員を下回る人数となってしまったのですが、旅行業界が瀕死の状況にあるこのようなときにご参加頂けるお客様への感謝の気持ちも込めて、ツアーを催行させて頂いた次第です。

 

 

3月29日(日) 鹿児島空港→鹿児島港→種子島

 

東京と名古屋からそれぞれご出発いただき、添乗員とは鹿児島空港での合流となったのですが、空港までの交通機関にも人は少なく、危惧された三密の状況は避けていただく事ができたようです。

 

合流後、専用車で鹿児島港へ。

 

鹿児島港からは、ボーイング社製のジェットフォイルと呼ばれる、時速83kmにもなる高速船『トッピー』で、種子島に向かいます。ちなみに、「トッピー」とは鹿児島の方言でトビウオのことです。

 

 

鹿児島本校南埠頭を出発して約1時間半で、種子島の西之表港に到着です。

港では、島を離任して行く学校の先生の見送りが盛んに行われていました。

 

種子島は1市2町からなる南北に細長い島で、私たちが着いた港のある西之表市から、中部の中種子町を通って、島の南部の南種子町方面への観光に出発です。

 

まずは世界で最も美しいロケット発射場と言われる、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の種子島宇宙センターへと向かいます。

残念ながら屋内の展示施設はコロナウイルスの影響で閉館していましたが、屋外の実物大H2ロケットの模型や、ロケット発射台を望む展望台などからの眺めをお楽しみいただきました。

 

 

宇宙センターの後は、千座の岩屋(ちくらのいわや)のある浜田海岸へと車を走らせます。

 

千座の岩屋は、海水の浸食によって造られた岩窟で、内部の広さは千人が座れると言われることから、この名が付けられているようにとても広く、干潮時にのみ内部に入ることができます。

 

 

ここでの観光をお楽しみいただいた後は、今日のホテルのある西之表港に戻ります。

 

予想はしていましたが、ホテルにもあまりお客さんはおらず、閑散とした雰囲気でした。

 

 

3月30日(月) 種子島→屋久島

 

ツアー2日目は、ホテルの近くにある種子島開発総合センターの見学に向かいます。あいにくの空模様だったので、ホテルの送迎車で送ってもらえないかとお願いしてみると、快く引き受けて下さいました。

 

種子島開発総合センターはなんだか堅苦しい名称ですが、『鉄砲館』という呼び名でも親しまれています。

 

内部には種子島の自然、文化、歴史などの展示が映像や実物大模型などを使って、興味深く紹介されています。

 

また、鉄砲伝来時の出来事を紹介している回り舞台式の人形劇は、とても興味深く見応えのあるものなので、お薦めの展示です。

 

そして、この施設が『鉄砲館』と呼ばれる所以となっている展示が、世界各国の鉄砲を集めた展示です。先込め式の火縄銃から、元込め式の初期のものまで、様々な鉄砲が展示されており、とても興味深いものでした。

 

 

鉄砲館の見学後は、一旦ホテルに戻り、荷物をまとめて再びホテルの送迎車で港へと向かいます。

 

西之表港から再びジェットフォイルで約1時間で、屋久島の安房港に到着です。

 

 

今日は安房港から円形の屋久島の周囲を時計回りにほぼ一周します。

 

まず訪れたのは『千尋の滝(せんびろのたき)』です。

 

悪天候の時は霧で隠れてしまうことが多いのですが、この日はあいにくの雨模様にもかかわらず、展望台から滝の姿を見ることができました。

 

この滝の一番の特徴は、まるでダムのようにも見える滝の横の花崗岩の一枚岩です。雨のおかげで水量も多く、ダイナミックな景観をお楽しみいただけました。

 

 

次に向かったのは、巨大なガジュマルが道路をまたぎトンネルのようになっている『中間(なかま)のガジュマル』です。

NHKのテレビ小説『まんてん』のロケが行われたことでも有名です。

 

 

そして、日本の滝百選にも指定されている『大川の滝(おおこのたき)』を訪れます。

ここは滝壺のすぐ横にまで行けるのですが、雨のおかげで水量が増しており、例年よりも迫力のある姿を見ることができました。

 

 

このあとは、世界自然遺産に指定されているエリアの中で唯一自動車では要ることのできる『西部林道』へと入ります。

 

鬱蒼と茂る広葉樹林の中、屋久猿や屋久鹿などの固有種が出迎えてくれました。

 

 

西部林道を抜け、島の北部を回って、ホテルへと向かいました。

 

 

3月31日(火) 屋久島

 

ツアー3日目は、屋久杉を見ていただくために、山に登ります。

といってももちろん歩いてでは無く、車で海抜1200mまで登ります。

 

ここには屋久島で唯一、自動車で訪れることのできる樹齢3000年の屋久杉『紀元杉』があります。(樹齢1000年以上の過ぎだけが『屋久杉』と呼ばれます。)

 

往復10時間の山歩きの末に、十数メートル離れた展望デッキからのみ見ることにできる縄文杉に比べて、車ですぐ横にまで行けて、機に触れられる距離にまで近づける気軽さから軽く見られがちですが、胸高周囲8.1mもある立派な巨木で、一説によると縄文杉よりも樹齢が古いのではないかとも言われています。

 

 

紀元杉の後は、指呼し山を下り、ヤクスギランドを訪れました。

 

ここは屋久杉を含む杉の原生林の中に遊歩道が設けられており、脚力に合わせてコースが選択できるのですが、今回は最短の30分コースを歩いていただきました。

 

雨模様のお天気でしたが、新緑の緑がみずみずしく、森を覆う苔には水滴が光り、とても美しい景色をご覧いただけました。

 

屋久杉は豊臣秀吉の時代から江戸時代を経て、昭和に至るまで伐採が続けられましたが、それらの切り株の上に落ちた種子から杉や別の植物が育った「切株更新」や倒木の上に育った「倒木更新」などが見られ、森の命の輪廻を感じる事ができました。

 

 

この後、屋久杉に関する様々な展示でわかりやすく屋久島の杉に関する様々なことが学べる『屋久杉自然館』に立ち寄りました。

ここでは昭和30年代の屋久杉伐採の様子や、当時の林業で暮らす村の様子などが、残されているニュース映像などで紹介されており、皆様興味深くご覧になっていました。

 

 

この後、昼食を取り、患者様には透析病院へ向かっていただきました。

屋久島での透析は「屋久島徳洲会病院」で受け入れていただきました。

このようなときに県外・島外の患者さんを受け入れる事については、難しい判断もあったと思うのですが、検温・問診と万全の注意を払った上での受入を、本当にありがたく思いました。

 

 

4月1日(水) 屋久島

 

いよいよツアーも最終日。まずは屋久島の大きな見どころの一つ『白谷雲水峡』を訪れます。

 

ここは、スタジオジブリの宮崎駿監督が、映画『もののけ姫』の構想を得た場所として知られています。

 

残念ながらここは入口から徒歩でしか入って行くことができず、階段、岩場なども多く、少し脚力に自信のある方でないときつい所で、目的の折り返し地点まで行けない方もおられましたが、苔むした幻想的な森の姿をお楽しみいただきました。

 

 

 

屋久島は中央部に九州最高峰の宮之浦岳(1936m)を初めとする高い山々があり、山の上には北国の植物や高山植物が見られ、麓の海岸近くにはハイビスカスやパパイヤ、シダ類などの亜熱帯植物が生い茂る、「日本列島南北2000kmを、縦に凝縮した島」と言われています。

 

たった4日間のツアーで、最後には悪天候のために屋久島からの飛行機が欠航になり、急遽鹿児島に船で戻り、鹿児島空港からご自宅へとお帰りいただくというハプニングはありましたが、都会を離れ豊かな大自然の中で過ごせたことを、今回ご参加いただいた皆様には大変お喜びいただけたことは、何より嬉しいことでした。

 

最後になりますが、現在のコロナ禍により、観光で成り立っている屋久島の経済は存亡の危機に立たされている事を実感させられたことも記しておきたいと思います。

 

今回宿泊したホテルを始め、島内の観光地、土産物店、レストランのどこにも観光客の姿はほとんど見られず、3日間私たちのドライバーを務めて下さった運転手さんが、最終日に「昨日、会社から一時解雇を言い渡されました。」と、寂しそうに笑いながら話されていた姿が心に残っています。